雌・フィレ肉
冷凍・一枚約0.16kg〜0,2Kgx2枚
スーラール社フィレ カネット・バルバリー
(鴨肉・冷凍・雌 胸肉 2枚 約360g)
★バルバリー種
南アメリカの野生種が起源の種。
フランスで好んで使われるこの品種は、鴨の中でも最も大型であり、 比較的強いので飼育しやすく、生産性が高いのが特徴です。
肉付きの良い脂肪分が少ない品種です。
Canard カナール(雄)…12週齢 / Canette カネット(雌)…10週齢
★スーラール社
鴨の生産地として世界的に最も有名な、フランス西部大西洋岸・ヴァンデ地方の中心にスーラール社はあります。
1930年代に創業し、現在では鴨に関してはフランスにおいてトップメーカーのひとつ。モットーである“品質重視”の精神は、
孵化場からカットした鴨の包装に至るまで、生産過程のあらゆる段階で生かされています。
また、売上の60%は輸出によるもので、海外でも彼らの商品は高い評価を受けています。
【 下ごしらえ ムネ肉編(ハムを除く)】
1、解凍
1,調理前日にパックのまま冷蔵庫に入れる
2,ボウルに氷水を作りパックごと漬ける
(流水や水よりも意外に早い)
3,40度以下のお湯にパックごと漬ける
(早いし、すぐに料理するのであれば、後の揉み込みも柔らかくて早い)
2、掃除
1,水洗い → キッチンペーパーで軽く拭く
(血が付いているので洗い流す。)
1,皮目にかのこに切れ目を入れる(1〜2ミリ幅)
(刃は斜めに等間隔で、途中で切れないように繋げて切れ目になるように
ギリギリ身を切らないところまで、幅は狭いほうが味も染み込みやすく脂も抜けやすい)
2,返して身の厚い方の先の白い部分(筋)を取る
3,より柔らかく食べるときは、中央部分に白い筋があるので、それも取る
(はがれやすくなるので、料理内容によっては全部取らない)
3、マリネ
1,鴨重量(パックに書いてある)の砂糖0,5%で揉み込む
(出来れば林原トレハロース1%で揉む、トレハロースの方が最終的にふっくらと仕上がる)
中から水分が出てきて、音がするまで揉む(フィレ1枚で3〜5分)
2,塩(精製塩の方が臭みが抜けやすい)1%(薄味が好みの方は0.7%)で揉む
3,黒胡椒あらびき 0,1%で揉む
4,赤ワインを全体に染みる位(200gに30cc位)
(真空調理の時はアルコールを煮とばし3分の1に詰めたもの200gに10cc)
5,ラップで巻いて、冷蔵庫で寝かせる(1時間〜1晩)
4、脂落とし(ハムを除き全てここまでは共通です)
1,油はひかずに弱火〜中火のテフロン・フライパンで皮目だけを軽く焼き目が付くまで焼きます。
スプーンや指で身を抑えながら平たく均一に焼きます。
(途中、驚く程の油が出ます、少し貯まったらその都度ボウルにいれて熱いうちに
油こしで漉してガラス瓶にいれてとっておく。冷蔵保存で相当持ちます)
油が殆どない状態でひっくり返したら、表面の色が変わる程度(焦げ目は付けない)
であげます。
2,バットに氷水を入れ、上に同じサイズのバットを置き(氷水バット)皮目から冷やします。
冷えて脂が固まったら返してひやします。
※ここまでをスタンバイとします。
この状態でフィレ肉をラップでピチピチに巻いて前日スタンバイとして
冷蔵庫に保存可能
冷凍する場合は、真空包装しないとすぐに白くなってしまうので冷蔵保存までです。
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(フライパン&オーブン)の場合
5、焼く
1,フィレ肉はバットにおいて常温で30分(夏場)〜1時間(冬場)
2,中火で皮目からしっかり焼き目をつけて、返して軽く焼き目
3,120℃のオーブンで20分、返して20分
4,アルミホイールを巻いて常温で20分
5,中央から半分に切って焼き加減を確認する
※焼きが足りないときは、アルミのままオーブン120度で5分単位で確認
自分の好きな焼き時間のデーターをとっておく
6、スライス
※スライス幅は本当に好みでレストランでのg数は一般的に薄切り一切れ15gですが、薄切りに切る人、厚めに切る人、棒状に切る人、本当マチマチです。
7、ソース
簡単で有名なのは、『オレンジソース』鴨1枚分
1,鴨を焼いたフライパンに赤ワインを60cc(出来れば、合わせて飲むピノノワール)入れて半分に煮詰める
2,オレンジジュースを50cc入れて半分に煮詰め、バター20g を溶かして濃度をつけてフォンドヴォーを50g入れて少し煮詰めて塩、こしょうで味付けして出来上がりです。
※フォンドヴォーがない時は、水と鶏がらスープの素でも十分対応出来ます。
※軽く、仕上げたい時はバターは使わないでタマネギ半分を飴色に炒めてつぶしながらソースに濃度をつけます。
(真空調理器の場合)
1、真空包装かシーラーかジプロック
2、55度20分(ロゼ)〜35分(ミディアムウエル)
3、オーブン 120度で7分(ドミナスのやり方)
or
フライパンで皮目だけもう一度カリッと焼く(自宅で食べるやり方)
3、スライス
※焼きが足りない時は、くっつけてバーナーで炙る
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【 鴨のムネ肉とモモ肉の違い 】
★ムネ肉
・柔らかい(=焼き)
↓
火は全部入れない(ロゼが美味しい)、
・脂が乗ってる(=熱いか温いが美味しい)
↓
冷えるとパサつく感、固くなりやすい
※ハムにすると冷たくても美味しい=水分と一緒に血も抜けるから
要は血がパサつく感が出る
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★モモ肉
・固い(=煮込み)
↓
煮込んで柔らかくしないと美味しくない
・脂が少ない(=冷たくても美味しい)
↓
おつまみの作り置きにも向く
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【 品種とカネット(仔鴨)とカナール(成鴨)の違い 】
★バルバリー種
(南アメリカの野生種が起源で鴨の中で最も大きい、フランスで最もポピュラーな品種)
カナール・・・12週齢 カネット・・・10週齢
・カネットの方が小ぶりで柔らかい、言い換えるとカナールの方が噛みごたえがある
カネットは食べやすい、カネットの方が血っぽい(個性的)
単純に好みの問題ですが、こういう考え方もあります。
カネット・・・炙るだけなど単純な調理法(素材を楽しむ)
鴨鍋、醤油炙り焼き、焼肉塩味
カナール・・・下味を付ける量が多い(しっかり味を付ける)
治部煮、和物、焼肉タレ味
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★マグレ鴨 ミュラール種
(バルバリー種の雄と北京ダックの雌の掛け合わせ)
鴨のフォアグラは雄
カナール・・・14週齢
・バルバリーより肉質がしっかりしています。比べると良くも悪くも大味です。
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★シャラン鴨
(ヴァンデ県北部のシャラン地区の湿地帯、いわゆるフレンチの高級鴨の定番です)
カナール・・・8週齢
※このようにカナールとカネットの年齢は産地や品種によって異なります。
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【 鴨の脂とサラダオイルの違い 】
鴨ムネのロースト、鴨モモ肉のコンフィ共に代表的なムネとモモの料理です。
共通して美味しさの基準の一つに『 パリッとした皮目 』というのがあります。
調理法で『鴨を焼いた脂は捨てないで漉してガラス瓶にとっておく』というのは、
鴨の脂は何かと使えます。
例えば、鴨の脂でモモ肉のコンフィをほぐした肉をスパテラで軽くかき混ぜながら
ソテーします。全体に焼き色が付く頃には、スパテラには、ベトベトと肉がついてきて
フライパンもスパテラでこさがないとへばりついてます。
ところが、ザルにあげて少し経つと一気にパリパリになります。
これは、油の質の違いです。鴨の脂は入りやすく抜けやすいのです。
つまり、鶏や魚を焼くときにもパリッと効果は出てきます。
先々月のドミナスコースのオードブルで『ノドグロのコンフィ』を出しましたが、
オリーブオイルの代わりに鴨の脂でコンフィにしました。
パリッパリッに上がり大変好評でした。
脂を貯めて冷蔵庫に入れておくと結構幅広く何にでも使えて便利ですよ。
※脂=個体、油=液体の違いだけです。
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【 血入り鴨 】
シャラン産を代表にビュルゴー鴨など『 血入り 』と表現されている鴨は、
『血を旨みに変える』窒息鴨です。
要は血抜きをしない鴨で野生味や旨みはより強くなります。
鶏→うずら→きじ・うさぎ→合鴨→鴨→鳩
良く言われるのが鴨は血の旨み、鳩はレバーの味わい
ブルゴーニュワインの表現で『血っぽい』『鉄分を感じる』この表現が強いほど
鳩への流れとなります。
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